前置き 2001年に大手サーチエンジンの「お見合い」の掲示板に書き込んだメッセージ。

お見合いに失敗した原因

「今、一人住まいですか?」と聞かれて、堅苦しかった見合いの雰囲気を和らげようと冗談で「ダッチワイフと二人暮しです、あっはっは」って言ったが冗談と受け取ってくれず、「結婚したらその方に出ていってもらうつもりですか?」と冷静に問い返された。


作者の
コメント
つまんないこと書いちゃったな、と悔やんだが、思わず返事をしたくなるコメントがふたつ書かれた。
(作者:フヒハ)





前置き 2つのコメントに対する返答として書いたメッセージ。

質問の回答

二人の方から同じような質問をされているのでまとめて答えさせてください。

>本当に一緒にお住まいですか? その方と

>で、本当に暮らしてるの??

見合い相手に逃げられたに決まってるじゃない、お見合い失敗話を書いたんだから。
一緒に住んでないです。

こう答えようと思ってもう一度メッセージをよく読むと、どうやらお二人とも「ダッチワイフと一緒に暮らしているの?」という質問らしいことに気付きました。改めて答えさせていただきます。

若い頃、一緒に暮らしてました。掃除も洗濯もしてくれないし、料理も作ってくれませんでしたが夜だけは私に精一杯尽くしてくれました。
って、こんなことばかり言ってるから俺はモテないんだよなあ。


作者の
コメント
結構受けてくれる人がいて、しばらく居続けることにした。
(作者:フヒハ)





私が彼女(ダッチワイフ)と別れた理由

押入れに隠しておいた「彼女」を上京してきた母親が見つけてしまったため。
とっさの弁明「その人形は俺が買ったんじゃない。友達から借りて使わせてもらってるだけだ!」はまったく言い訳になっておらず、母の怒りと嘆きを静めるには至らなかった。





「今夜はヒィヒィ言わせてやるぜ!」

私が投げかけたこの煽情的文句を耳にしても「彼女」の表情は微動だにしなかった。


作者の
コメント
さすがにもうコメントは書かれず。みんな引いてしまった模様。でも私は続ける。
(作者:フヒハ)





前置き 上記メッセージの続き。

アクロバチック

どんなにアクロバチック(曲芸的)な体位を要求しても嫌な顔ひとつせず、文句ひとつ言わずに応じてくれた「彼女」。

別れてから今まであれほど従順な女性にお目にかかったことは一度としてない。






「ピンポーン、宅急便でーす」

  そのとき「彼女」と取り込み中で、離れるのがおっくうだったので合体したまま入り口のドアを開けた。
  荷物を差し出した配達員の手が小刻みに震え、顔面がこわばってるのを見て、一人で来るべきだったと、自分のちょっとした判断ミスが他人に衝撃的な動揺を与えてしまったことを悔やんだ。






忘れられん!

俺の劣情を煽りたて続けた「彼女」の非人間的な肌触り。

忘れられん!






「男のよがり声は・・・」

「男のよがり声はよく聞こえるけど、女の呻き声はなぜかまったく聞こえないんだ」

アパートの隣人がよくこうつぶやいていたなあ。






セーラー服

セーラー服を着せたときの「彼女」が一番輝いていた。

俺が先生役をやったあの夜は燃えたなあ。


第一部終了

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