前置き | このフォーラムに書かれたとある感想文の一部を引用して、長々と書いたコメントの数々。 |
感想文の中の疑問への回答 | ||||
メッセージ番号<2937>の感想文には以下のような一節がありました。
誰もまだ上記の疑問に答えていらっしゃらないようですので、私が回答いたします。 まず初めに、医学的な専門用語を解説しておきます。 「消化管」とは、口から肛門までの間の食物が通過する器官のことで、食道、胃、腸などがこれに当たります。多くの人は、消化を行うのは胃だけと思っているようですが、そうではありません。口や腸でも食物の消化を行っているのです。 ちなみに、歯で食物をかむことも「物理的消化(physical digestion)」と言われ、消化管内に分泌される消化液(唾液・胃液・膵液・胆液・腸液)によって食物成分物質をコロイド粒子ないし分子の準位で分散・分解させるところの「化学的消化(chemical digestion)」とともに、重要な消化過程のひとつを担っている、なんて難しいことを述べたところで、皆さんが理解できるとは到底思えませんので、ここいらでやめておきます。 「排泄物」は「ウンチ」と同じことです。一般に「排泄物」といえば「ウンチ」と「オシッコ」の両方を意味しますが、ここでは「肛門から出る」と書かれていますので、「排泄物」=「ウンチ」と考えて構いません。 人によっては、「ウンチ」の代わりに、「ウンコ」「糞」といった下品な語や、「大便」「糞便」といった堅苦しい語を使用しているかもしれません。また、上品な方は「肛門から放たれた褐色のオブジェ」というような婉曲な言い回しをお使いになるかもしれません。 このメッセージにおいては、混乱を避けるため、もっぱっら「ウンチ」という語を使用いたします(「ウンチ」という語を使った筆者に敬意を示すためです)。 皆さんの中には、「俺は『ウンコ』という語しか使わない!」だとか「私は『肛門から放たれた褐色のオブジェ』という言葉じゃなきゃ絶対に嫌ですわ!」などと言い張る強情な人がいるかと思います。そういう方は、自分のワープロソフトの「置換」機能を使い、好みの語(慣れ親しんだ語、読んで一発で頭にすーと入り込む語、見た途端に頭の中に実物をはっきりと思い浮かべることができる語、など)に変換してからこのメッセージを読み進めてください。 それでは、一文ずつ詳しく解説していきます。
結論から先に申しますと、腸の中にあるときには、まだウンチではありません。このときの物質には正式な名称はありませんが、一般に「消化された食べ物のかす」と呼ばれております。これが肛門から出た瞬間にウンチとなるのです。 といっても、腸内の「消化された食べ物のかす」が、外気に触れて化学反応を起こしてウンチという物質に変化するということではありません。肛門から出る寸前の物質というのは、形、重量、成分、色、つや、匂い、手触り、肌触り、舌触り、歯ごたえ、喉ごし、どれをとっても一人前のウンチとまったく変わりありません。ただ、物質の名前が「消化された食べ物のかす」から「ウンチ」に変わるだけなのです。 この説明を聞き、皆さんの中には、「どうしてそんな回りくどいことをするんだ? 肛門から出る前も出た後も、両方ともウンチと呼べばいいじゃないか?」と疑問に思った方もたくさんおられると思います。 お答えします。ウンチとは、本来、汚くて、みんなから嫌われるものなのです。過去を思い出してください。あなたが小学校の頃、体育の着替えの時間に、パンツにウンチがついているところを友達に見られ、みんなから「えんがちょ」と言われていじめられましたね。 また、大学時代、居酒屋で、トイレから戻ってきたとき、手にウンチがついているのを仲間に見つかり、その瞬間に多くの友達を失いましたね。 さらには勤め人になってからは、得意先回りから帰ってきたとき、口のまわりにたっぷりとウンチがついているのを同僚に見破られ、すぐさま開かれた人事会議において上司から辞職を勧告されましたね。 そうなのです。身体の一部どころか、着ているものにウンチがついていたとしても、みんなから嫌われたのです。それほどウンチとは毛嫌いされる存在なのです。そんな不潔なウンチが下腹部とはいえ、体の中に存在するなんて、皆さんも絶対に我慢できませんね。 だから、腸の中にあるときは、まだウンチではなく、「消化された食べ物のかす」なのです。 ここで、皆さんの中には、「それなら、尻の穴に人差し指を突っ込んで引き抜いた場合、指先についている物質はウンチではないので、その指をしゃぶっても構わないのですね?」などと訳の分からないことを言う人がいるかもしれません。 しゃぶっても構いませんが、それはウンチです。先ほど申しましたように、肛門から出た後は、ウンチになるからです。ふんばって出そうが、指でほじくり出そうが、掃除機で吸引しようが、肛門を口で覆って吸い出そうが、まったく関係ありません。体外に出たらすべてウンチです。 しかし、突っ込んだ人差し指を肛門から抜かないでおけば、あなたの指はウンチに触れているわけではないので、他人から「えんがちょ」だとか「汚い」「不潔」などと言われる筋合いはまったくありません。恥ずかしがらずに堂々と振る舞ってください。 話はまったく変りますが、ウンチの中に消化されなかった「とうもろこし」が混じっていることがよくあります。皆さんの中には、このとうもろこしを洗って食べたことがあるという人がいると思います。私の友人は、これを「漬物」と呼んでいますが、おいしいのでしょうか。ぜひ教えてください。
何度も申しましたように、肛門から出る直前の物質は、「排泄物(ウンチ)」ではなく「消化された食べ物のかす」です。ですから、この文章は「消化された食べ物のかすは身体の一部か?」という疑問と解釈しておきます。 結論から言うと、NOです。もし身体の一部だとしたら、つねったり、つついたり、ひっかいたりすると痛いはずです。しかし、「消化された食べ物のかす」は、どんな乱暴なことをしても痛くもかゆくもありません。 もちろん、人間の体には、爪や毛といった神経のない部位もあります。しかし、爪や毛を体から強引に引っこ抜いたりするとやっぱり痛いのです。 この説明だけでは納得がいかないという人は自分で実験してください。やり方は簡単です。五寸釘を肛門に挿入し、「消化された食べ物のかす」にぶっ刺すだけです。 どうです。痛くないでしょう。「消化された食べ物のかす」が身体の一部ではないからです。 痛かった場合は、実験の失敗です。おそらく、釘の先が「消化された食べ物のかす」ではなく、腸の内側に刺さってしまったのでしょう。 「こんな実験では、危険すぎるので私にはできません」という臆病な人には、別の方法があります。ふんばって肛門から出してから刺激を加えるやり方です。もちろん、それはウンチとなりますが、先ほど述べたとおり、物質的には「消化された食べ物のかす」とまったく同じものですので、実験結果は同じと考えていいのです。 下腹部から出したウンチに対しては、五寸釘といった小道具を使う必要はありません。危険がまったくないからです。テーブルの上に横たえて、ハンマーでおもいっきり叩いてやりましょう。 どうです。全然痛くないですね。「消化された食べ物のかす」が身体の一部ではないからです。ただし、ハンマーでぶっ叩いたときに、ウンコの破片が四方八方に飛び散り、その一部が目に入ってしまった場合はかなり痛いかもしれません。
正直に言いますと、私はこの感想文が対象としている応募作品を読んでいませんでした。そんなわけですので、この文を初めて読んだとき、私は、 「何? 『ウンチしたい』だと? さては、浣腸器を使ったな・・・。山岳SMか?」などという勝手な推測をしてしまいました。その後、大いなる期待を抱いて応募作品を読んだのですが、まじめな登山小説だと分かり、拍子抜けしてしまいました。 それはさておき、山に登っているときにウンチをしたくなったからといって、下山して、ふもとのロッジの便所に駆け込むという人はひとりもいません。登山者はみんな、その場でやるのです。 ゆるやかな斜面を登っている場合には、比較的水平な場所に移動し、しゃがんで用を足しますが、絶壁にいるときはそんな悠長なことをしている暇はありません。登っている体勢のまま、ズボンとパンツを下げてやってしまうのです。 垂直の岩壁の途中で、両足を岩のクラック(割れ目)に食い込ませ、両手で岩の突起をしっかりと掴みながら用を足している光景というのは、想像を絶する壮観でしょう。 また、下腹部から放たれたウンチが数十メートルにも及ぶ急斜面を一気に転げ落ち、次第にこっぱ微塵に砕け散っていく様は、まぎれもなく見応え十分のはずです。 もし、その登山者が下痢をしていた場合は、液体状のウンチが肛門から出た瞬間に強風を浴びて霧となり、周囲に広がる無限の空間へと、音もたてずに静かに吸い込まれていくのです。まさに圧巻ですね。 こんな状況で用を足しているのが女性だなんて・・・。 私はもう何も言うことがありません。 |
作者の コメント |
絶賛メールをいくつか受け取りました。 (作者:フヒハ) |
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