前置き | 私のストッキングとガーターベルトに関するメッセージに対して質問を受けた。 |
>トランスヴェスティズムでは | ||
私が女性用のストッキングとガーターベルトを着けてみたのを「フェチ」と言ったことに対して以下のメッセージが書かれています。
この方は「(男が)女性用ストッキングとガーターベルトを身につける」ことを「女装」だと解釈しているようですが、これはいかがなものでしょう。 確かにストッキングとガーターベルトは身につけるものですので「服装の一部」と言えるかも知れません。しかし、それらを「服装」と呼んでもいいものなのでしょうか。 私は、ストッキングやガーターベルトなどは、ハンカチや時計などと大して変わらないものだと思うのです。つまり単なるアクセサリーにすぎないと考えます。 異性のハンカチや時計などを持っていたりすると「ちょっと変な人」と思われるかも知れませんが、少なくとも変態呼ばわりされることはありません。ユニセックス時代の現在では、アクセサリーなんて男物、女物という区別は無くなりつつあるのです。 もちろん、女性用ストッキングやガーターベルトを男が身につけるとなると、ハンカチや時計などに比べて格段の違和感があるかも知れません。でも上着を着てズボンをはいてしまえば外からはまったく分かりません。ハンカチや時計と変わりないのです。 やはり、ストッキングとガーターベルトだけで「女装」だなんて、どう考えても大げさすぎます。「女装」と言うには、ストッキングとガーターベルトだけでなく、パンティー、ブラジャー、ブラウス、スカートなどを着て、ハイヒールをはくべきです。 そこまでやって初めて一人前のトランスヴェスティスト(異性服装倒錯者)と言えるのです。 皆さんの中には「トランスヴェスティズム」という変態用語としては基本に属する言葉を知らないという浅学非才な人がいるかもしれませんのでここで簡単に説明をしておきます。文学を志す者としては絶対に覚えておかなければならない必須の単語です。 手元にある医学大辞典では、「トランスヴェスティズム」を以下のように解説しています。
要するに、男が女の服を、女が男の服を着て性的に満足するという変態性欲をトランスヴェスティズムと言います。「異性服装倒錯」という日本語に訳されることもあります。 この変態性欲は「同性愛」「露出症」「ナルシシズム」「フェティシズム」などとの関連性が非常に強いのが特徴です。したがって、どう分類するかが困難であるというケースがままあります。 例えば、女役の同性愛者(男)の場合を考えてみてください。その人は、普通、女装しています。そうなると必然的に「トランスヴェスティスト(服装倒錯者)」にも当てはまります。ところが、その人に「あなたは同性愛者ですか? それとも、トランスヴェスティストですか?」と聞けば、必ず「同性愛者です」と答えるでしょう。 純粋なトランスヴェスティスト(異性の服装を身につけること、それのみの理由で性的満足を得る人)というのはほとんどまれで、ほとんどは他の分類と兼ねているのです。ここらへんの難解さゆえにトランスヴェスティズムに対する誤解が生じやすいと言えましょう。 さて、ここで皆さんに質問です。 素っ裸の男がストッキングとガーターベルトだけを身につけて外出したら、それはどのような変態に分類されるでしょうか。 そうですね。もちろん、この場合は、トランスヴェスティズムやフェティシズムというよりは露出症と見なされます。 ストッキングをはいているため、他人に陰部を直接見せているわけではないので「露出」じゃないという意見も多少あるかもしれません。しかし、女性用ストッキングというのは、普通は透けているのでほとんどまる見えです。圧迫されている分、グロテスク度は増加しています。とても見れたものではありません。 最近は目出し帽やサングラスにマスクというのが増えたらしいのですが、今でも銀行強盗は頭にストッキングをかぶって銀行に押し入ることがあります。もちろんストッキングは素顔がばれないようにするために使われます。 子供の頃、母親のストッキングをふざけて頭にかぶったという経験は誰にでもあるはずです。その際、その顔を見た兄弟や友達に大笑いされましたね。ストッキングを頭にかぶると誰もが変な顔になるのです。もともと「変な顔」の人の場合は「奇妙な顔」となります。もともと「奇妙な顔」の人の場合は「見るも無惨な顔」となります。もともと「見るも無残な顔」の人の場合は「トイレの吸引棒で殴りたくなる顔」となるのは言うまでもない。 ですから、ストッキングをかぶった銀行強盗を客や行員が見たとき、本当は、おかしくて仕方がないのです。でも、実際には、誰ひとりとして笑い出す者はいません。 当り前です。銀行強盗は、普通、ピストルやナイフなどの凶器を持っているからです。ストッキングをかぶった顔がおかしいからといって、指をさして大笑いでもしようものなら、強盗に撃たれたり、刺されたりしてしまいます。みんなおかしさを必死に堪えて警察官の到着をひたすら待ち続けるのです。 それではもしストッキングをかぶった銀行強盗が凶器ではなく、アダルトショップで購入したバイブレーターを間違えて手に持って銀行に押し入った場合はどうでしょうか。 これだったら、きっと銀行内の人々は素直に爆笑するはずです。ストッキング顔の滑稽さに加え、銀行強盗の手にバイブという意外な組み合わせのおかしさのため、しばらくは客も行員も腹を抱えて笑い続けることでしょう。 いや、もしかすると、白い目で見るか、あるいは無視するだけなのかも知れません。 普通、銀行強盗に対して発する支店長の第一声というのは、「客には危害を加えないでくれ」「金庫は奥にある」「警察には通報しない」のいずれかだそうです。 もし、ストッキングをかぶった銀行強盗の持っているのがピストルやナイフではなくバイブであった場合は、支店長の第一声というのは相当異なるはずです。 おそらく「何の用ですか?」が一位でしょう。二位は「帰ってください」、三位は「SMクラブは銀行を出て右に行き、すぐの四つ角を左に曲がった裏通り沿いです」といったところではないでしょうか。 もし、銀行強盗が電源スイッチをすでに入れており、手に持ったバイブがクイーンクイーンと音をたてて作動していたとしても、支店長が発する第一声は、「客には危害を加えないでくれ」「金庫は奥にある」「警察には通報しない」などではなく、やっぱり「何の用ですか?」「帰ってください」「SMクラブは銀行を出て右に行き、すぐの四つ角を左に曲がった裏通り沿いです」あたりでしょう。 なんだか、話が支離滅裂になってきましたがいつものことなので気にしてません。 皆さんがトランスヴェスティズムが何であるかをわかっていただければ幸いです。 |
作者の コメント |
本人から反論などは一切書かれませんでした。無視されたというのが実情か。 (作者:フヒハ) |