前置き | 1993年10月に投稿した感想文。フォーラム「Pの部屋」では、応募作品がアップされてから感想文がいくつも書かれていた。私が感想を書いた作品「黄昏の神」は会員の注目の作品で、一部にP文学賞を受賞してしまうのではないかとの意見もあった。評価の高い作品に茶々を入れたがる私はすかさず感想文を書いた。 今回こちらに感想文を載せるにあたり、多少の文章を削った。 |
注意! この感想文を読む前に必ず元の作品「黄昏の神」を読んでください。作品を読まないと感想文が何を言っているのか理解不可能です。原稿用紙20ページの短編小説で、こちらで読むことができます。 |
【感想】黄昏の神 |
初めて読んだとき、一行目の「白銀と漆黒の双つの顔を持つヤヌス」という部分を「白銀と漆黒の双つの顔を持つアヌス(肛門)」と読み間違えてしまい、最後まで何が書かれているかさっぱり分かりませんでした。 何十回か読み直したとき、実は「アヌス」ではなく「ヤヌス」であることに気付き、目から鱗が落ちるように全文がはっきりと鮮明に理解できました。と言いたいところですが、本当はやっぱり十分には理解できませんでした。分からなかった原因は「ヤヌス」だけではなかったようです。 では、何が原因かというと漢字です。見たことも聞いたこともない漢字が多すぎるのです。読めないだけならまだしも意味も分かりません。辞書を引いてみたのですが非常に面倒で時間がかかるので途中でめげました。せめて読み方だけでも知っていれば国語辞典だけで済むのですが、どう読むのか分からないので、まず最初に漢和辞典のお世話にならざるを得ないのです。 漢和辞典というのは、読み方を知らない場合は非常に面倒なものです。部首や画数から見つけ出さなければならないですし、何が部首なのか、何画なのかわからないものも多々あります。もし「矍鑠」なんて単語が作品中にあったらその意味を理解するだけでも莫大な時間がかかってしまうことでしょう。四文字熟語で四文字とも見たことも聞いたこともない難解な漢字だった場合には誰だってコンピューターのディスプレイに向かって、マウスをマイク替わりにカンツォーネを歌い始めてしまうでしょう。 私はカンツォーネを歌いたくないので作品「黄昏の神」の内容を辞書を引いてまで理解しようとしませんでした。 最後に作品の一部のパロディーでこの感想文を終わらせていただきます。 ●あなたが応募作品をアップすると程なく/Aパソコンネット会員のディスプレイに/その作品が表示される・会員はすぐにそれを読み始めるが/あまりのつまらなさに吐き気をもよおし/急いで両手で口を押さえる・それでも/指と指の間からは/昼飯に食べたオブジェが顔を覗かせる●オブジェの真下には/2日前に買い換えたばかりのキーボードがある・キーとキーの間の溝がオブジェで満たされたとき/会員は/あなたにメールを送る・「キーボードのキーを押すと/上に戻らなくなっちゃったじゃねーか!」・メールを受け取ったあなたは/何だかさっぱり分からない・ |
作者の コメント |
私にはなんだかよくわからない作品だった高い評価を得ていた。私の書いたこの感想文にも一部マニアから高い評価を得た。 (作者:フヒハ) |