前置き 1995年頃、Aパソコン通信ネットの創作フォーラムに登録した作品を元に2000年に書き直した作品。
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衝動


  やけに静かな夜だった。
  どうしても寝つけなかった俺は、ベッドから起き上がり、枕元のライトのコードを二度下に引っ張り、豆電球を点灯させた。
  真っ暗だった寝室内がわずかに明るくなり、ベッドの脇に置きっぱなしにしておいた「広辞苑」が目に入った。
  俺はその分厚い国語辞典を手にとり、適当なページを開いて、適当な部分に目を通してみた。

ちつ【膣】:
哺乳類の雌性外部生殖器の一部。交接器と分娩道とを兼ねる拡張性に富む粘膜性・筋肉性の管で、上方は子宮に連なり、下方は外陰部に開口。
  俺はこの一節を読み終えるやいなや無性にやりたくなり、隣のベッドで優しい寝息をたてていた妻に、雄たけびを上げながら猛然と襲いかかった。

作者の
コメント
比較的小さなパソコン通信ネットのフォーラムであり、読んでくれる人が少なく、コメントはあまりなかったのですが、みんな誉めてくれました。
(作者:フヒハ)

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