前置き 1992年頃、大手パソコン通信ネットの掲示板に書き込んだメッセージ

私のメールフレンドになってくれませんか?(その1)
  私のメッセージを読んでいただき、ありがとうございます。
  本来ならば、このメッセージを読んで私にメールを送っていただいた方全員を無条件で私のメールフレンドと認定し、皆さんとメール交換をしていきたいところですが、何万人もの人達から申し出があると、メールを読むだけでも人を雇わなければならず、大変なことになってしまいます。
  従いまして、誠に勝手ではありますが、私のメールフレンドは、以下の4つの条件をすべて満たした方だけに限らせていただきます。

  1. 女性であること

  2. 17才以上23才以下であること

  3. かわいい人(自薦、他薦を問います。他薦のみです。他人からあなたは「かわいー」と言われたことがあるだけでは不十分です。公共の場で、赤の他人から突然「あなたは、かわいー」と面と向かって言われ、その人の周りにいた人、少なくとも3人以上から「本当ね」と同意されたという経験のある人)

  4. 英語が堪能で、さらにフランス語、ドイツ語、スペイン語のうちの1つが日常会話程度しゃべれる人。(「英語が堪能」というのは、外国人と何不自由なく意志の疎通ができるというだけでは不十分です。寝言はすべて英語が当たり前で、寝言でも「R」を発音するときに舌が上の歯茎に接触しないことが必要です。
    また、「日常会話程度」というのは、その言葉が話されている国で生活に不自由しないという程度では問題外です。現地の男から「一緒に夕食をいかが?」と誘われたら、高級レストランで高価な料理を注文しまくり、自分が食べ終わったら「ちょっとトイレに行ってきます」と言って席を外し、トイレの窓から外に逃げ、後日、街でその男とばったり出くわしたとき、「トイレットペーパーについたしみは愛の印」という、わけの分からない言い訳で許してもらえるくらいの語学力が必要です)

以上の条件を満たしている方、どしどしメールください。お待ち申し上げます。

作者の
コメント
掲示板では、私の発言を非難する書き込みがあり、中傷メールがいくつか届きました。
若い女性らしき人(本当かどうかは不明)数人からは「あなたのメッセージに感銘した」という旨のメールをもらい、これがきっかけで私はパソコン通信の掲示板に完全にハマることになりました。
(作者:フヒハ)





私のメールフレンドになってくれませんか?(その2)
  以前に私は「メールフレンドになってくれませんか?」というタイトルのメッセージを書きましたが、読んでいただけたでしょうか。まだ読まれてない方は先にそちらをご覧ください。

  非常に残念ですが、私のメール友達になるための4条件をすべて満たす方はいらっしゃいませんでした。
  それはそうと、私の挙げた4つの条件を誤解されている方が何人か見受けられましたので、ここでそのいくつか紹介するとともに、もう少し条件について説明を加えさせていただきます。

  1. 第1(最初の)条件として「女性であること」としっかり明記しているにもかかわらず、いきなり「僕じゃ駄目ですか?」というタイトルのメールを送ってくるのはやめてほしいものです。
    また、「俺は男だが、雌犬を飼っているから条件はクリアしている」という理屈には、かなりの時間迷いましたが、やっぱり遠慮させていただきました。
    私とのメール交換を希望するあなた自身が女性である必要がありますので注意してください。

  2. 第2条件の年齢上限が「23才以下」というのは、言うまでもなく、この世に生を受けてからまだ24年が経っていないという意味です。
    「パキスタンのパラピジャン地方独特の年齢の数え方だと21才です」などという、いったい何才なんだかさっぱり見当がつかない年齢の方はダメです。パキスタンのパラピジャン地方以外の標準的年齢の数え方に従って判断してください。

  3. この第3条件の「かわいい人」で引っかかってしまった方が非常に多かったみたいです。
    「私は中学校以来、毎日みんなから、かわいー、かわいー、と、ずーと言われ続けています。私の名前は河合です」というような内容のメールは、ハードディスク等に保存せずに一発削除することにしていますので注意してください。
    条件は、「容姿」が「かわいい」ということです。

  4. 問題の第4条件です。この条件については、あまりに厳しすぎたためか、無視する方がほとんどでした。私は4つの条件すべてを満たす人とのみメール友達になりたかったのであって、3つの条件クリアだけで勘弁してあげるつもりは毛頭ありません。
    勘違いの例としては、「私は、舌が短いから絶対に上の歯茎に届かない」などと言って勝手に第4条件をクリアしたことにしている方。私は発音の上手さを含めた英語の語学力を求めたのであって、あなたの舌が長いか短いかについては興味がありません。
    また、「トイレットペーパーについたしみは愛の印」の部分に対して、トイレットペーパーについたしみは「愛の印」じゃなくて「ウンコ」だ!などと頼んでもいない添削をしてくれた方。やめてください。

  まだ、メールフレンドは募集中です。条件をよく理解され、私のメールフレンドになりたい方、是非ご連絡ください。

作者の
コメント
このメッセージを読んだたくさんの方からメールをいただきました。
もちろん、条件をすべてクリアしている人はいるわけがなく、ほとんどが「メッセージが気に入った」「もっと書いて」という旨のメールでした。
「ふざけるな!」というお叱りのメールも相変わらずでした。
私は、今後も掲示板に何かを書き続けなければいけないという義務感を抱くようになりました。
ちなみに、上記の勘違いの例はすべて私の勝手な創作です。
(作者:フヒハ)






私のメールフレンドになってくれませんか?(その3)
  以前に私は「メールフレンドになってくれませんか?」というタイトルのメッセージを2つ書きましたが、4つの条件をすべてクリアした方は結局いらっしゃいませんでした。
  喉(のど)から手が出るほど(注:「喉に手を突っ込んでもどすほど」という意味ではない)メール友達を作りたい私としては、以前に挙げた条件に固執していては誰ともメール交換できないうちにこの掲示板から管理者によって永久追放される可能性があります(この掲示板での私に対する非難の書き込み数から判断して)。
  そこで泣く泣くではありますが、条件をゆるめ、2次募集をすることにいたしました。みなさんも、受験した大学にすべて落ち、残っているのは三流大学の二次募集だけで、もうこれ以上浪人はしたくないから受験するしかないという、あの絶望の縁に立たされた3月末の藁(わら)にもすがりつきたいノリで、メールフレンド第2次募集に応募なさってはいかがでしょうか。

改訂条件

  1. 女性であることというのは絶対に譲れません。

  2. 23才以下を24才1カ月までとします。

  3. これも絶対に石にしがみついても譲れません。若くてかわいい女性じゃなきゃだめです。

  4. 最後の「トイレットペーパーについたしみは愛の印」という言い訳が口をついて出てこなくても結構ですから、その場で辞書を引き、つっかえ、つっかえでもいいからこの文を完成できる方。
  この条件の大幅な緩和により「やっと私も有資格者になれたわ」という方、どんどんメールをください。

作者の
コメント
これは以前のメッセージに比べるとインパクトが薄かったようで、好意的なメールをくれた方はあまりいませんでした。「前のほうが面白かった」と、にべもない感想をくれる人もいました。
憂さ晴らしではないのですが、以前に「あなたのメッセージに感銘した」というメールをくれた女性(確証はないが多分女性)に、俗に言う「ナンパメール」に限りなく近いものを送ってみたところ、返事はまったくくれませんでしした。
メッセージが好きでも、それを書いた人を気に入っているわけではないということを嫌というほど実感させられました。
(作者:フヒハ)

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